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010 区 甲骨文字365

平成31年1月10日(木曜日)20190110太陰太陽暦1205丁未44

原姿力発想009 区(區)

「壁は強大な武器になる。人の心をぶち抜くヤバイ武器だ(BY.バンクシー) 」

人がひそかに祈る時、どのような場所で祈りを捧げるだろうか。

腹痛で、やっとこさ、駆け込んで扉を閉めた、そのトイレの中だろうか(笑)、

気を集中させるヨガマットの上だろうか。

イスラム教では、左右対称のデザインで織られたムスリム礼拝マットを用意するという。頭部を地面に付けて拝する為であるが、それは長方形で、ヒトひとり分の区画が用意されることとなる。

区分けはひとつの発明でもある。分けることはわかること。

区切り方を誤れば、分かり合えなくなることもある。甲骨文字では、その区切られた場所において、口(さい)(品)を並べる。金文で「匿」の文字が鋳込まれ、隠された場所は秘匿と呼ばれた。

その特定の場所でうったうことを歐(欧)、謳(おう)というように、現代でも区別、品種などの言葉を使用する。

愛宕神社の「宕」は、宀(お宮)となった石の象形のもとに口(さい)。を配す。そもそも磐座や岩場での祭祀は古代から大事な儀礼として斎行されている。言霊にはじまり。祈りのspaceから、「石」の文字から品定め。実際の甲骨文に刻まれた文字を感じて造形思考!

甲骨文で「区(區)」の原型が

刻まれた文をトレース

「区(區)」地名用例合685 貞王其 狩区

「区(區)」祭祀名用例合34679 勿区・隹示

匚(ほう)は三方を囲ったかたち。殷墟遺跡の斎場のあとが匚に似た形で発見されている。祖先をまつるためには、ひとつの聖處としての区画分けを必要とする。

現代の身近な例であれば、神社において鳥居であり、時に竈(かまど)的な役割をしたかもしれない。正月の神々。時と場所の境界線の認識と、その区切られた聖域には、禁忌とタブーが存在する。

合14529 勿生于河

生きる ②祭祀名(河への祭)

耳3取人又 動詞 合10223

ヘッドフォンを為して、だれかの祈りに似た音楽を聴く。ネットカフェ?じゃないよ!嗚呼、内側へ響く祈り!

「壁は強大な武器になる。人の心をぶち抜くヤバイ武器だ」が、バンクシーのコメントだが、二次元の面。壁は壁で、人間のつくるもの、使い方次第で。ね。

 □(四角)造形は四方八方を囲う隔離された壁の世界だが、L字形の囲い文字においては、2辺は外へ開かれている。匚は一辺が世界へ開かれている。その祈りは天へと解放されているのか。そこには自然と向き合い共存してきた祈り。生命と創造。人間だけがこの地球に存在しているわけではない。その開いたところに差し込む光、そして空気、作為をもたない自然と混ざり合う東洋の精神が秘められているようだ。

原姿力発想009 区(區) 了

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