027廳(庁) 甲骨365
原姿力発想027お宮17廳
平成31年1月27日(日曜日)20190127太陰太陽暦1222甲子01
目の不自由な偉大な音楽家やアーティストでは多い。
我が国では津軽三味線の高橋竹山、麻疹のために3歳でほぼ失明状態となり、その後、近所の盲目芸人から三味線を習ったといわれている。北島三郎の曲である「風雪ながれ旅」は高橋竹山の生涯をモチーフとした作品であある。また、「琵琶法師」は目の見えない僧が演奏し「盲僧琵琶」とも呼ばれていたという。小泉八雲「怪談」『耳なし芳一』では盲目の琵琶法師である芳一が登場する。
目の見えない人の音楽は研ぎ澄まされたものだ。耳を震わすそのかすかな音連れから、多くのことを感じ取るのだろう。視力が不自由であるミュージシャンとしては、Stevie Wonderが有名だ。スティービーは6週間の早産で生まれ、保育機内の酸素が過量であったために、未熟児網膜症となり生まれて直ぐに目が見えなかったという。レイ・チャールズ・ロビンソン(Ray Charles Robinson)は、緑内障のため、4歳頃から視力が衰え始め、7歳になる事には失明して、盲学校に通いながらピアノを学んだという。わたしの大好きなラウル・ミドン(Raul Midón)は、未熟児として生まれ、生後も適切な保育機器により育てられなかったため盲目となった。父に与えられたパーカッションがきっかけで、ギターを手にしたという。
盲目のアーティストが歌がうまいということは、「耳がよいこと」だって、我が国では、たびたび美空ひばりが例に挙げられる。幼少期の美空ひばりの、あのしゃべりかけるようにうたう少女の純真無垢な声は、盲目にはあらねども、耳の感受性の豊かさを感じ取ることができる。
庁は「廳」…宀+耳+口(さい)…◎耳と口(さい)(祝詞の器のかたち)に従う造形。
SuibunTrace むらかみすいぶん古代文字(こつこつ甲骨文字)道場original text.「庁」
神に祈り、神の声を聞きうること。
「聖」は、神の声を聴きうる者を聖人という。
神の声を聴きうるものが聖であり、おおむね神瞽(しんこ)であった。
庁舎、その入り口は庁門である。
甲骨文にも庁舎の門は、刻まれている。
門は建物の境界であり、神聖と俗を区画する役割ももっている。同時に祭祀名としての「孰」「酒」が刻まれており、門前祭祀が斎行されたことを表している。
白川翁は、その後の金文の字形から、中廷の土主に鬯酒(ちようしゆ)(におい酒)を灌(そそ)いで神霊をよび降す灌鬯(かんちよう)の儀礼を示すとする。しかし、金文ではなく、甲骨文ですでに門前の御神酒は刻まれていたのだ!神を降して、そこで神の声を聴き、神意を察して政治を行った。そのことを聽といい、その所を庁という。
今でいえば、、、国会議事堂の門?靖国神社や、お社の聖域の手前のスペースにあたる場所なのかもしれない。 この門において祭祀儀礼を斎行する。神聖な儀礼である。
庁に在りて、庁丁(まさしく略字「廳→庁」と通用する)甲骨文字のかけらも存在する。
阜は梯子。高いところへ陟(のぼ)り、 きく、神の声をきく、ききとるには天へ天へ、大きな空を見上げてききおさめ、うける。
庁の訓義として、「したがう、ゆるす、まかせる。さだめる、おさめる、さばく」という義もある。
S:耳+又(ゆう)で「取」
宀に「取」で、庁舎での官府の政務を執ることか。庁舎(役所)で占い、コトを聴き、区(祭祀名)を丙乙という神に奏上する。耳さときひと。
耳をすまして、四季折々の変化を感じ取る。
甲骨文字に刻まれる世界は、三千年以上経ても、我が国の文字の言霊として、存在感を放っている。さぁ、耳をすまして。
原姿力発想027お宮17廳 了。
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