12亥考5 「死」について。
十二造形の最期に配された造形。 亥の日の最期に「死」について考える。 そしてこの文字「死」の「歹」造形には重大な発見があった。 「死」造形は「歹(ガツ)」+「※卩(セツ)」 「歹」…亡くなった人の遺骨。 「卩」~「喪主」…その遺骨を蹲踞をし祭祀儀礼の作法でのぞき見る人。...
12亥考4 おもてなしと祝家。
「おもてなし=賓」は3400年前の祭祀儀礼として刻まれている。 それは経済効果のために、観光客を騙し、外人を労働力の数値として計算することではない。 「おもてなし」は、自然とのつながり、地球に住まわせてもらっているささやかな生命体として、...
12亥考3 天翔る最期の王亥2
鳥は恐竜。そして鳥は死者の霊魂を運ぶ者であった。 [亥]造形の要素をもつ重要文字「王亥(おうがい)」は、隹(とり)と共に刻まれていた。 列島の古代の「鳥」の發想はいかなるものであったか。遺された考古学的資料は何を意味するのか。...
12亥考2 天翔る最期の王亥1
亥→子 12circleは<循環する時間>である。 チベットの鳥葬。 一日がはじまり一日が終わる。 今日もまた、太陽は昇り沈む、そしてまた明日は昇るだろう。 月は欠け、また満ちては欠ける。秋になれば葉を枯れ落とし、春にまた新芽が生え、新緑が生い茂る。...
12亥考1 ヒトか獣か。
2024年3月12日 乙亥の日。 十二支12番目の造形は、最期の「亥」であるが、 終わりと同時に次の「ね」へとつなぐ位置にある「終わり」であり「はじじまり」へ向かう造形でもある。 甲骨マンダラCircleをもちいて、その12の造形の時間が循環するなかで、この12の発想は、な...
戌考5 虁の神の隠しもつもの。
樂神舞神の夔が手にするもの。それは十二支造形の「戌(いぬ)」を逆にしたものだった。われわれが普段、日常で目にすることがない漢字がある。漢字には「き」→「虁<環境依存文字>」で変換可能だが、ある意味では、亡くした失った文字(亡失文字)の部類にも入るかもしれない。古く我が国では...
戌考4 武士道は止まらない。
十二支「戌(いぬ)」とは似て非なるものとして「戊(つちのえ)」があるが 基本となるのは同じ「戈」造形である。「戈」関連文字は多い。 青銅器の特性をみれば、軍事以上に祭祀の神具であることが重要であることもわかる。 戈に纏わる文字をまとめたCircle「SuibunART」...
戌考3 『歳』という祝祭。Jupiter line
太陽系の中でも、大きさ、質量ともに最大の惑星でもある木星(Jupiter)は、大陸では黄道に沿った公転周期がほぼ12年であることから、十二次を司るもっとも尊い星として木星は「歳星」と呼ばれる。また、のちの道教においては天形星(天刑星、てんけいせい)の名で神格化され、牛頭天王...
戌考2 成。創始者の成せるかがやき。
「成る」とはどいうことか。日本神話『古事記』においては「修理固成(つくろひかためなせ)」という語がある。神々が、イザナギノミコトとイザナミノミコトに、「漂っている国土を修理固め成せ」よ命じた。現代の「成」といえば、成人式「Coming of Age...
戌考1 象徴の必要。
人類の協働の基礎に神々、国家、お金といった虚構をつくった。虚像と虚飾で彩られ虚構を常に演出してきた。そんな人類に「象徴」とは、どのような役割をもってきたか。 その鋭い輝きでシンボル(象徴)として見立てた造形がある。「王」というかがやく象徴的神具だ。...
補)「辰」と地震。
2024年3月11日 甲戌の日。2011年のあの日から13年もの歳月が流れた。 地震について。エネルギーについて。 たった数十年の愚かな人類の過ちが、もはや後戻りできぬ事態へ陥っている。 保留事項として未来へ先伸ばしして、なんとか誤魔化してきたことについて、...
酉年4 飲みの作法。舌の所作。
3400年前の自然現象への驚き、畏怖の念から発動する祭祀は、いのりとして実践され、文字として刻まれた。 そして現代、物語(自然現象の経過)として読むことができる。二頭の龍が黄河(洹水)という大河を飲み込んだ、と言う表現で、虹への驚きを記しのこしている。合集10405反の甲骨...
酉考3 響きあう埶術の香り。
「五大にみな響きあり、十界に言語を具す、六塵ことごとく文字なり…法身は、これ実相なり」 「響く」という文字は「郷」の文字と「音」でできている。饗食にコトバを具えて響き合う。 酒は藝とも郷とも深く関わり合いを持っている。 まずは蓺と福の祭祀。埶朮と酒の深い関係を刻んだ甲骨文字...
酉考2 重ね重ね again and again and again
ジョンレノンの美しき歌「WOMAN」の歌詞は、神道に強い影響を受けている。 そのひとつにthirdVerseのサビ前で、神職がよく口にする詞(ことば)のニュアンスがメロディアスに響く。 メジャーセブンスの晴れ渡る感じ。弾き語りでうたってても、とても気持ちのいい箇所なんだ。...
酉考1 御神酒の奉製・奉奠。
酉造形は、空を飛ぶ鳥ではなく、酒樽の器の象形である。酒や液体状のものを入れるいれものの造形。我が国でいう御神酒である。 2024年3月10日 癸酉の日。酉の市は宴である、「酉」は神々の饗食する覚醒の時なのだから。 我が国でいう御神酒(おみき)は神事や祭礼で神様にお供えするお...
申考4 文字以前の記号Z。乙と壽。
乙 文字以前の記号造形。 甲骨文字よりも前には文字はあったのか。 現時点の考古学的資料としては匋文にみえる幾何学的なラインが、その謎を解く鍵となる。黄河の仰韶文化の匋文には甲骨文字に近い造形がみえる。また竜山文化の壺の文様には「申」へ通じる「乙」のような幾何学紋様である。...
申考3 エネルギーへ畏怖の念を。
西暦2024年3月9日 壬申の日。 「申」は、電光の走る神成りの造形。神の初文。 神の文字は甲骨には刻まれていないが、のちの金文「宗周鐘」に鋳込まれている。「示」は神を数える単位として祭祀に用いる祭卓(案)をあらわしている。自然現象(かみなり)と神具(示(案))を掛け合わせ...
未考3『告』縄文土器+玉串奉奠。
「告」の造形が描かれたその根源の発想とはなにか。 本来、どのようなおもいが、この造形に込められていたのだろうか。 SuibunArt「告~縄文と玉串奉奠」イメージ 「告」には古来からさまざまな説があり、未だ定説はない謎の文字のひとつでもある。<「告」の諸説>...
未考2 時をかける老若。妹の時。
前回は十二支「未」造形の艸木に関連する文字が「木」をベースにしていること。 「生きる」「求む」「奏じる」など、その豊かな發想が我々の使う漢字に内在していること。 その上で次に「未」そのものの要素を含む文字、関連する甲骨文字を探究していく。...
未考1 植物とともに描く未来。
西暦2024年3月8日。辛未の日。「未来」は樹木でできている。植物を侮ってはいけない。人類は時の流れとともに生長を重ねる植物の恵みを受け たくさんの恩恵を授かった。現代漢字には、一部の艸かんむりの文字を除いて、艸かんむりのつく文字は、艸木にまつわる漢字である。...
午考3無くなりゃ大変!日本人崩壊文字。
午年の「午」の文字を考察するなかで、 この「午」要素を含む重要な文字がある。 もしも、この文字がなかったら、、、 我々の暮らしは大きく変わってしまうだろう。 日本人の伝統文化・埶朮のみならず、民族としてのアイデンティティーは崩壊する可能性もある。...
午考2 縄文から連綿と紡ぐ絲の世界。
午年は「うまどし」と読むのが通例だが、動物の「馬」ではない。 ※いきもの十二支が普及した理由については過去ブログを参照→巳は子 造形発想の原義は、絞った「絲(いと)」の象形である。 その糸から生み出されたものは多く、糸のつく漢字の持つ意味は深い。...
午考1 丙午2026年。出生率増加へ。
西暦2026年は60年に一度の「丙午(ひのえうま)」の年となる。 タイトルの「出生率増加」は もし「増加」したら凄いぞ~という個人的な願いを込めて書いたもので、わたしのブログは時事ニュースではないし、だからフェイクニュースにもならないし。ただ、このブログは甲骨文字を中心に解...
巳(子)考4 五穀豊穣の『季』の神。
季節の「季」は、現代でもなじみ深い漢字であるが、3400年前の甲骨文でも頻繁に登場する。それは人々に、五穀豊穣をもたらし、時にたたりをもひき起こす祭祀対象としての神「季」である。 子造形にまつわる文字のなかでも、極めて重要な意味をもつ。...